背景・課題
- 経営基盤強化のためには生成AIを含むデジタル技術の活用が不可欠と考え、「ENEOSデジタル戦略」を策定し、DX推進に取り組んでいる
- DX推進にあたって高スキル者だけではなく、より多くの社員がAIのメリットを享受できるようにするため生成AIを導入
SGC活用内容
- 情報の検索や資料作成補助、文章要約、プログラミング作成支援など幅広く活用
- UIが直感的なので、ほとんどの利用者がマニュアルを読まなくても利用可能
- 生成AIのメリットを多くのENEOSグループ社員に提供するため、一部の部署や職種に限定せず、ENEOSのイントラネットに接続できるグループ会社の従業員全員を利用対象にしている
効果
- 製造現場でのナレッジの継承に大きな効果
- 社内セミナーやSNSで利用方法や事例紹介を行うことで利用者拡大を図る
背景・課題
経営基盤強化のためには生成AIを含むデジタル技術の活用が不可欠と考え、「ENEOSデジタル戦略」を策定しDX推進に取り組む
Q.
まずは貴社のIT戦略や生成AIに関する意識について教えてください。
A.
当社グループのIT戦略は、長期ビジョンである「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立に向けて、「確かな収益の礎の確立」、「エネルギートランジションの実現に向けた取り組みの加速」、「経営基盤強化」を基本方針としています。特に経営基盤強化においては、デジタル技術の活用が不可欠と考えており、「ENEOSデジタル戦略」を策定してDX推進に取り組んでいます。
生成AIについては2023年4月にENEOSホールディングスの情報システム部門内に生成AIプロジェクトチームを立ち上げ、ガバナンスを強化しつつ、ENEOSグループ内共通の生成AIサービス基盤を従業員に提供しています。生成AIもデジタル戦略を進めるための重要な要素と捉えていて、全従業員が生成AIを業務で使えるようになるという目標のもと、活用に向けた施策を各種展開しています。
Q.
生成AI導入以前にあった課題を教えてください
A.
DX推進にあたり、AIの活用は重要テーマとなっていますが、扱える人材は一部に限られており、必ずしも全社規模でAIが活用できているという状況ではありませんでした。その中でチャットという親しみ易い形態で生成AIを導入すれば、AIに慣れていない社員でもAIのメリットを享受できるのではと考えました。
Q.
生成AIの導入にあたって調査検討時に重点を置いたポイントはありますか。
A.
スピード感を持って我々の要求に応えてもらえるか、スケーラビリティに不安はないか、コストを抑えることができるかなどです。
今回導入させていただいたSmart Generative Chatですが、弊社内では「Generative AI for ENEOS」、略して「GENEOS」という名称で活用しています。UIもかなり弊社の要望に合わせてカスタマイズしていただき非常に感謝しています。
GENEOS活用内容
情報の検索や資料作成補助、文章要約、プログラミング作成支援など幅広く活用
Q.
GENEOSの主な使用用途を教えてください
A.
情報の検索や資料作成補助、文章要約、プログラミング作成支援などです。
Q.
GENEOS導入の決め手となったポイントを教えてください。
A.
我々が重点を置いていたスピード感やスケーラビリティの問題をクリアしていたのはもちろん、生成AIという新しいサービスを導入するプロジェクトにふさわしい、熱意を持ったご提案をいただいたと感じた点です。コスト面についても、グループの数万人の従業員が利用の対象となる当社にとっては、ユーザーあたりの課金ではなく利用量に応じた従量課金である点は魅力的でした。
Q.
GENEOSの優れていると感じる部分はどこですか。
A.
UIが直感的で使い易いです。ほとんどの利用者がマニュアルを読まずに利用できています。またスケーラビリティが高いので利用者やアクセス数が増えても安定してサービスを提供できています。さらにまれにトラブルが発生しても、すぐに対応いただけるため、サービス主管としても非常に心強いです。
Q.
GENEOSの全社的な展開にあたり考慮したことや事前・事後に取り組まれたことがあれば教えてください
A.
一部の部署や職種に限定するのではなく、生成AIのメリットを全てのENEOSグループ社員に提供したいと考えていました。GENEOSを導入することでセキュリティやスケーラビリティ、コストなどの問題をクリアしてその目的は達成できたと考えています。なお、初期の生成AIチャットアプリは内製で提供していたのですが、GENEOS導入後は以前と比較してアクセス数は10倍近く増加しています。
Q.
ご利用者さま(ユーザーさま)からはどのような声があがっていますか
A.
日常的に利用している社員からはGENEOS無しではもう業務できないという言葉をもらっています。またRAGを利用した社内情報の回答も導入していますが、情報の登録も容易で回答精度も期待以上となっているため、今後より広範囲で使っていきたいというコメントもあります。
効果
製造現場でのナレッジの継承に大きな効果
社内セミナーやSNSで利用方法や事例紹介を共有し利用者拡大を図る
Q.
GENEOSの導入で感じている効果を教えてください
A.
特に効果が大きいと感じているのはナレッジの継承です。製造現場でベテランのエンジニアの確保が難しくなっている中、業務に関連する資料をGENEOSに読み込ませることで、まだ経験が浅い若手エンジニアでも精度が高い情報が簡単に得られるようになっています。
Q.
全社的な展開ののちに見えた課題や現在も抱えている課題があれば教えてください。
A.
アクセス数やアクティブユーザ数は増えてきていますが、まだ利用したことがないという社員もいて、利用状況の二極化が進んでいることが課題です。社内セミナーやSNSで利用方法や事例紹介などを通じて課題解消に取り組んでいます。
Q.
貴社の生成AIに関する今後の取り組みについて、計画があれば教えてください。また、その将来に向けて、システムサポートにどのようなことを期待しますか
A.
今後も新LLM導入やRAGの精度向上に取り組んでいきたいと考えています。またAIエージェントなど、チャットの回答だけではない新しい使い方についても積極的に検討を進め、ENEOSグループとしてDXを推進していくつもりです。
ENEOSグループは外部から新しい技術やサービスを積極的に取り入れていく文化があり、ITエンジニアとしても新しいことにチャレンジしていける環境です。実は私も中途入社なのですが、入社してすぐに生成AIプロジェクトのリーダーに抜擢されました。これからもITを活用した業務改革にチャレンジをしていくにあたり、システムサポート様には今後も生成AIだけに留まらず様々な領域で一緒に取り組んで行っていただければと考えています。