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自己解決を促す社内FAQの作成方法とは

社内での問い合わせ対応に追われる時間を削減し、業務効率を高めるための社内FAQの作成方法について解説します。適切な社内FAQを構築することで、社員の自己解決力が高まり、組織全体の生産性向上につながります。

社内FAQの重要性とメリット

社内FAQは組織の知識共有を効率化する重要なツールです。導入することで問い合わせ対応の負担軽減と業務効率の向上が期待できます。

社内FAQとは?

社内FAQとは、組織内でよく発生する質問とその回答をまとめたナレッジベースです。新入社員の疑問から業務プロセスの確認まで、幅広い情報を体系的に整理したものです。

単なる質問集ではなく、組織の暗黙知を形式知に変換し、誰もがアクセスできる形で蓄積するナレッジマネジメントシステムとしての役割を持っています。企業文化や業務プロセスの継承ツールとしても機能し、組織の知的資産を守る役割も担っています。

自己解決を促す理由

自己解決を促すことで、問い合わせ対応の担当者の負担が大幅に軽減されます。社員が自ら必要な情報にアクセスできる環境を整えることで、待ち時間なく業務を進められるようになります。また、自己解決の習慣づけは社員の主体性や問題解決能力の向上にもつながります。さらに、情報を探す過程で関連知識も得られるため、業務理解が深まり、結果的に組織全体の知識レベルが向上します。

業務効率化につながるメリット

適切に構築された社内FAQは、同じ質問への重複回答を防ぎ、時間の節約になります。新入社員のオンボーディングプロセスも効率化され、早期戦力化が促進されます。また、部署間の知識格差が解消され、組織全体の情報共有がスムーズになります。さらに、ベテラン社員の暗黙知を可視化することで、退職によるナレッジロスを防止する効果もあります。

社内FAQの作り方

計画的なアプローチとユーザー視点に立った内容設計が、効果的なFAQ作成の鍵となります。

基本的なステップ

まず現状の問い合わせ内容を分析し、頻出する質問を特定します。次に、それらの質問に対する正確な回答を関係部署と協力して作成します。最後に、検索しやすい形式で整理し、定期的に内容を更新する仕組みを構築しましょう。また、初期構築後のテストフェーズでは実際のユーザーに使用してもらい、使いやすさや内容の適切さをフィードバックしてもらうことが重要です。

必要なツールの選定

社内FAQの規模や目的に応じて適切なツールを選定します。小規模なチームであればスプレッドシートやWikiツールで十分対応できる場合もあります。大規模な組織では専用のナレッジベースツールやチケット管理システムとの連携が効果的です。選定の際には、検索機能の充実度、カテゴリ管理のしやすさ、アクセス権限の設定、更新履歴の管理機能などを比較検討することをお勧めします。

FAQの構築方法の具体例

効果的なFAQの構築例として、カテゴリ分けによる整理が挙げられます。「人事関連」「IT関連」「経理関連」などの大カテゴリの下に具体的な質問を配置すると探しやすくなります。また、タグ付け機能を活用することで、複数のカテゴリに関連する質問も適切に管理できます。さらに、「新入社員向け」「管理職向け」など、対象者別のナビゲーションを用意することで、ユーザーは自分に関連する情報にすばやくアクセスできるようになります。

FAQに含めるべき質問と回答

質と量のバランスを考慮し、利用者にとって真に必要な情報を厳選することが重要です。

よくある質問のリストアップ

よくある質問をリストアップするには、ヘルプデスクへの問い合わせ履歴を分析します。新入社員からの質問や季節・時期によって発生する質問(年末調整の手続きなど)を優先的に取り上げると効果的です。また、社内チャットツールでの質問内容や、部署ごとのミーティングで出る質問なども貴重な情報源となります。これらの情報を集約し、頻度や重要度でランク付けすることで、優先的に対応すべき質問が明確になります。

適切な回答の作成

回答は簡潔かつ具体的であることが重要です。専門用語や略語の使用は避け、必要に応じて図解を取り入れると理解が深まります。また、回答の最後には関連する質問へのリンクを設けると、ユーザーの疑問解決をさらに促進できます。回答を作成する際は、初めてその業務に触れる人でも理解できるよう、前提知識を最小限に抑えた説明を心がけましょう。必要に応じて「基本編」と「応用編」に分けるアプローチも効果的です。

質問のフォーマットと表現

質問は実際にユーザーが検索しそうな言葉で表現することが重要です。専門用語と一般的な表現の両方を含めると検索性が向上します。「〜するにはどうすればよいですか?」など、具体的な行動に関連した形式にすると利用者の意図に合致しやすくなります。また、「初めて経費申請する場合」「パスワードを忘れた場合」など、具体的なシチュエーションを想定した質問形式も有効です。

効果的な社内FAQの運用方法

継続的な運用体制の構築が長期的な成功の鍵となります。定期的な見直しと改善のサイクルを確立しましょう。

定期的なブラッシュアップ

社内FAQは定期的な見直しと更新が必要です。四半期ごとなど定期的なレビュースケジュールを設定し、情報の鮮度を保ちましょう。特に組織変更や制度改定があった場合は、関連するFAQの即時更新が重要です。また、検索ログを分析し、ユーザーが探している情報と実際のコンテンツにギャップがないか確認することも有効です。

部署間の連携と役割分担

効果的なFAQ運用には部署間の連携が欠かせません。各部署から「FAQオーナー」を選出し、自部署関連の情報更新責任者とする体制が効果的です。定期的な連絡会を開催し、FAQの改善点や追加すべき内容について情報交換を行いましょう。また、FAQオーナーの育成プログラムを設け、ナレッジマネジメントのスキルを組織内に広げていくことも長期的な運用成功のポイントとなります。

ユーザーからのフィードバックの活用

ユーザーからのフィードバックは、FAQの質を向上させる貴重な情報源です。各FAQページに評価ボタンや意見送信フォームを設置し、改善のヒントを集めましょう。寄せられたフィードバックは定期的に分析し、優先度をつけて対応することが重要です。「この回答で問題は解決しましたか?」といった簡単な質問を設け、解決しなかった場合は追加情報を求めるフローを作ることで、継続的な改善サイクルが確立できます。

社内FAQツールの種類と選び方

組織の規模や予算に合わせた適切なツール選びが、FAQの使いやすさと維持管理の容易さを左右します。

スプレッドシートとエクセルの活用

小規模な組織や予算の制約がある場合は、スプレッドシートやエクセルでも効果的に運用できます。検索機能や条件付き書式を活用し、複数のシートに分けてカテゴリ管理することで使いやすさを向上させられます。フィルタ機能を活用して必要な情報をすばやく抽出できるよう設計し、共有設定で適切なアクセス権を付与することで、シンプルながらも実用的なFAQシステムを構築できます。

NotePMなどの専用ツールのメリット

専用のFAQツールやナレッジベースシステムでは、検索精度の向上や閲覧履歴の分析、アクセス権限の細かな設定などが可能になります。マルチメディアコンテンツの埋め込みやバージョン管理機能により、より充実したFAQを構築できます。また、API連携により他のシステムとの情報連携が容易になり、社内システムのエコシステムを構築できることも大きなメリットです。

チャットボットとの連携の必要性

最新のFAQシステムではチャットボットとの連携が進んでいます。社内チャットツール上で質問を入力すると、FAQから適切な回答を自動的に提示する仕組みにより、情報へのアクセス性が向上します。チャットボットは24時間対応可能であり、ユーザーが必要なタイミングで即座に情報提供できる点が大きな利点です。

また、質問パターンのデータ蓄積により、AIの回答精度が継続的に向上していくため、長期的な運用でその価値が高まります。さらに、チャットボットが回答できなかった質問を分析することで、FAQに追加すべき内容が明確になるという副次的効果もあります。

効果測定と改善の方法

データに基づく継続的な改善サイクルを確立することが、FAQの価値を高めます。

ユーザーの利用状況の分析

FAQの利用状況を分析するには、アクセス数や検索キーワードの傾向を定期的に確認します。特にアクセスの多いページは重点的に更新し、アクセスの少ないページは内容の見直しや検索性の改善を検討しましょう。また、ユーザーの閲覧パターンを分析することで、関連性の高い質問をグループ化し、ナビゲーションの改善に活かせます。検索結果からのクリック率も重要な指標であり、低い場合は質問の表現や検索キーワードの見直しが必要です。

回答の精度向上のための工夫

回答の精度を向上させるには、「この回答は役に立ちましたか?」という簡単な質問でフィードバックを収集します。満足度の低い内容を特定し、FAQを読んだ後でもヘルプデスクに問い合わせがある場合は、その内容から回答の不足点を把握しましょう。また、複雑な手順を説明する場合は、ステップバイステップの形式を採用し、各ステップで起こりうる例外パターンも記載すると理解度が高まります。

業務改善の成功事例

ある企業では、FAQ導入により新入社員の業務習熟期間が短縮されました。また、別の組織ではヘルプデスクへの問い合わせが導入前と比較して減少し、対応スタッフを他の業務に振り向けることができました。FAQ作成過程で発見された非効率な申請手続きが改善され、全社的な業務効率化につながった例もあります。さらに、FAQの構築を通じて業務プロセスの可視化が進み、無駄な作業の削減や承認フローの簡素化など、業務改革のきっかけとなったケースも少なくありません。

FAQの公開と周知方法

優れたFAQも活用されなければ意味がありません。効果的な周知戦略を立てましょう。

社内イントラネットの活用

社内イントラネットのトップページにFAQへのリンクを目立つ位置に配置しましょう。部署別や業務別にカテゴリ分けされたリンク集を作成すると、必要な情報へのアクセスが容易になります。また、イントラネットの検索機能とFAQを連携させ、イントラネット検索でもFAQの内容がヒットするようにすると、ユーザーの情報アクセスの選択肢が広がります。

定期的な周知活動の実施

定期的なメールマガジンやニュースレターでFAQの更新情報や活用事例を紹介します。新しく追加されたFAQや、よく参照されているFAQをピックアップして紹介することで、認知度を高めることができます。また、社内ポスターやデジタルサイネージなど、オフラインでの周知活動も併用することで、さまざまな接点でFAQの存在を思い出してもらえます。

社員教育におけるFAQの活用

新入社員研修プログラムにFAQの活用方法を組み込みましょう。業務マニュアルとFAQを連携させ、詳細はFAQを参照するような構成にすることも効果的です。「FAQマスター」のような認定制度を設けることで、社員の活用意識を高める工夫も有効です。また、定期的なFAQ活用ワークショップを開催し、実際の業務シナリオでFAQを使って問題解決する体験を提供することで、日常業務での活用習慣を形成できます。

社内FAQ導入の手順

段階的なアプローチで無理なく導入を進めることが、成功への近道です。

導入プロジェクトの設計

まず、FAQ導入の目的と期待する効果を明確にします。現状の問い合わせ状況を分析し、優先度の高い領域から着手する計画を立てましょう。準備期間、試験運用期間、本格運用期間と段階的に設定することで、無理なく進められます。

導入プロジェクトの設計では、明確なマイルストーンと成功指標を設定することが重要です。例えば、第一フェーズでは「人事関連の上位20質問のFAQ化」、第二フェーズでは「IT関連の問い合わせ対応」など、具体的な目標を設定しましょう。また、各フェーズの終了時には振り返りを行い、次のフェーズに向けた改善点を洗い出すことも大切です。

担当者の役割と責任

FAQ管理者を選定し、全体の進行管理と品質管理を担当してもらいます。各部署からFAQコンテンツ提供者を選出し、専門分野の情報収集・整理を担当してもらいましょう。役割と責任を明確にすることで、持続可能な運用体制が構築できます。特に重要なのは、FAQの品質レビュー担当者の設定です。専門知識の正確さだけでなく、表現の分かりやすさや検索しやすさなど、ユーザー視点でのチェックを行う役割を明確にしておくことで、質の高いFAQが維持できます。

初期段階のスモールスタートのすすめ

最も問い合わせの多い項目から段階的に構築することをお勧めします。新入社員からの質問トップ10や特定部署の頻出質問など、範囲を限定して始めると成功しやすくなります。小さな成功体験を積み重ねることで、関係者のモチベーションも維持できます。また、初期段階では完璧を求めすぎず、まずは基本的な質問と回答を公開し、ユーザーのフィードバックを得ながら改善していく姿勢が重要です。このアジャイル的なアプローチにより、実際のニーズに合ったFAQへと成長させていけます。

社内FAQの運用における注意点

潜在的な課題を認識し、事前に対策を講じておくことが重要です。

デメリットとその解消法

FAQの主なデメリットは情報の陳腐化とメンテナンスコストの増大です。定期レビュー体制の構築や更新日の明示などで対応しましょう。FAQが増えすぎると検索性が低下する問題は、カテゴリ整理や検索機能の強化で解決できます。また、FAQに頼りすぎると対面でのコミュニケーション機会が減少するというデメリットも考えられます。これに対しては、FAQと人的サポートの適切なバランスを保つことが重要です。複雑な問題や状況依存の強い質問は、FAQよりも直接相談できる窓口を明確にしておくと良いでしょう。

FAQの情報更新の重要性

情報の鮮度はFAQの信頼性の基盤です。組織変更や制度改定時には関連FAQを即時更新し、「最終更新日」を明示することでユーザーが情報の鮮度を判断できるようにしましょう。古い情報が残ると、FAQ全体の信頼性が損なわれます。また、定期的に「棚卸し」を行い、不要になった情報を整理することも重要です。情報の寿命を意識し、一時的なキャンペーンや期間限定の制度に関するFAQには有効期限を設定するなど、情報管理の仕組みを整えておくことをお勧めします。

従業員の負担軽減について

FAQ作成・更新作業が特定担当者に集中すると大きな負担となります。部署ごとに担当者を分散させる体制が効果的です。テンプレートの活用やマニュアル化により、FAQ作成の効率化を図ることも重要です。また、FAQ更新作業を通常業務の一部として位置づけ、業績評価にも反映させることで、継続的な取り組みを促進できます。さらに、FAQ作成支援ツールの導入や、定型的な更新作業の一部自動化など、テクノロジーを活用した負担軽減策も検討しましょう。

まとめ

社内FAQは組織の知識共有と業務効率化に大きく貢献するツールです。適切に設計・運用することで、問い合わせ対応の負担軽減と社員の自己解決力向上を実現できます。FAQの作成は一度きりの作業ではなく、継続的な改善プロセスとして捉えることが重要です。ユーザー視点に立った内容設計と、定期的な更新体制の構築が成功の鍵となります。

最後に、FAQシステムは単なる質問回答集ではなく、組織の知的資産を継承するための重要なインフラであることを認識しましょう。トップマネジメントの理解と支援を得ながら、長期的な視点で育てていくことで、真に組織に価値をもたらすシステムへと成長していきます。今日から一歩を踏み出し、あなたの組織に合った社内FAQの構築を始めてみませんか?

この記事を書いた人

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Yuji Oe

ソリューションサービス事業部

10年以上の業界経験(主にデータベース分野)を生かし、現在はSmart Generative Chatの導入のプロジェクトマネジメントを中心に活動。

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